Knowledge OS Product Design System

Phase 5
AI Development Rules

Cursor、Claude、CodexなどのAI開発支援ツールを使用しても、 Knowledge OSの画面、文章、コード構造、製品思想を 崩さないための開発ルールです。

DOCUMENT Knowledge OS Design Principles v1.0.0
PHASE Phase 5 — AI Development Rules
TARGET Cursor / Claude / Codex

Introduction

AIを使っても、製品の判断はAIに任せない

AI開発支援ツールは、コードや文章を短時間で作成できます。 一方で、指示が曖昧なまま実装を任せると、 AIごとに異なるデザイン、名称、フォルダ構成、 コンポーネントが作られます。

その結果、機能は動いていても、 Knowledge OS全体の統一感が失われ、 利用者が画面ごとに操作を覚え直す製品になります。

AIは実装担当者であり、製品方針の決定者ではありません。 UI、文章、情報構造、命名、技術構成は、 Knowledge OS Design Principlesに従います。

この章の対象

Cursor

画面実装、既存機能の改修、UIコンポーネントの構築を担当します。

Claude

利用者向け文章、説明文、ヘルプ、エラー文の作成を担当します。

Codex

コード構造、命名、リファクタリング、保守性の改善を担当します。

目次

01 — Common Rules

1 AI共通ルール

Cursor、Claude、Codexのいずれを使用する場合も、 次のルールを共通の最上位ルールとします。

参照順位

  1. 既存機能とデータを壊さないこと
  2. Knowledge OS Design Principles
  3. 既存の共通コンポーネント
  4. 対象機能の設計書・仕様書
  5. AI自身の一般的な推奨
AIの一般論よりKnowledge OSのルールを優先する AIが一般的なUIや構成を推奨しても、 Knowledge OS Design Principlesと異なる場合は採用しません。

共通必須事項

共通禁止事項

英語禁止の範囲

英語禁止は、利用者が目にする画面上の文言を対象とします。 ソースコード上のコンポーネント名、変数名、型名は、 一般的な英語命名を使用します。

対象 ルール
画面タイトル 日本語
ボタン・メニュー 日本語
エラー・案内 日本語
コード上の名称 英語のPascalCase、camelCaseを使用
技術ログ 必要に応じて英語可

02 — Cursor Rules

2 Cursor Rules

Cursorの役割は、画面を新しくデザインすることではなく、 定義済みのデザインを正確に実装することです。

Cursorが最初に行うこと

1
既存コードを確認する 対象画面、関連コンポーネント、状態管理、API呼び出しを確認します。
2
既存機能を一覧化する 現在利用できる機能と、変更後も維持する機能を整理します。
3
Design Principlesを参照する Phase 3のUIルールとPhase 4の対象画面ルールを確認します。
4
変更計画を作る 変更ファイル、再利用部品、新規部品、影響範囲を整理します。
5
実装後に検証する ビルド、主要操作、Empty、Loading、Errorを確認します。

Cursor必須ルール

Cursor禁止ルール

03 — Cursor UI Rules

3 Cursor UI実装ルール

Bootstrap Tableは禁止

Knowledge OSでは、Bootstrap Tableプラグインや、 Bootstrap風の列数が多い高密度な管理テーブルを 新規画面へ使用しません。

資料、検索結果、設定項目などは、 内容を理解しやすいカードUIまたは専用リストで表示します。

使用する

  • DocumentCard
  • SearchResultCard
  • SettingCard
  • StatusCard
  • ActionCard

使用しない

  • Bootstrap Table
  • 文字が密集した多列テーブル
  • 各行に多数の操作ボタンがある表
  • スマートフォンで読めない固定幅表
単純な比較表は例外 設定値や少数項目の比較など、行と列の関係が重要な場合は、 HTMLのセマンティックなtable要素を使用できます。 ただし、Bootstrap Tableプラグインは使用しません。

カードUI

項目 標準
内側余白 24px
カード間隔 16pxまたは24px
角丸 12px
境界線 1px / Neutral 200
背景
原則なし

余白

余白を埋めるために装飾を追加してはいけません。 情報量が少ない画面には、適切な空白を残します。

アイコン

推奨Lucide Icons

用途 Lucide Icon
資料 FileText
フォルダ Folder
検索 Search
追加 Plus
編集 Pencil
削除 Trash2
設定 Settings
AIに聞く MessageCircleQuestion
成功 CircleCheck
警告 TriangleAlert
エラー CircleAlert
読み込み中 LoaderCircle
既存アイコンの段階移行 Lucide Iconsを標準アイコンライブラリとします。 Bootstrap Iconsなどの既存アイコンは、既存機能を壊さないため直ちに全面置換しません。 新規利用は禁止し、対象画面の改修時にLucide Iconsへ段階的に移行します。 代替の目安:bi-robot → Bot / MessageCircleQuestion、AI処理 → Sparkles、ローカルAI → Cpu。

04 — Cursor Content Rules

4 Cursorの文言・状態ルール

英語を画面に出さない

推奨

  • 資料を追加
  • 検索しています…
  • 設定を保存しました
  • 接続を確認
  • 該当する資料がありません

禁止

  • Add Document
  • Loading...
  • Settings Saved
  • Test Connection
  • No Data

専門用語を画面に出さない

技術用語 利用者向け表現
OCR 画像やPDFから文字を読み取る
Embedding 内容から検索できるように準備する
Indexing 検索できるように整理する
RAG 登録資料をもとに回答する
LLM AI
Runtime ローカルAIの実行環境
Provider 利用するAIサービス
API Key APIキー。初出時に説明を付ける

必須状態

Cursorは、通常状態だけを実装して完了としてはいけません。

状態ごとの文言

状態 表示例
Loading 資料の内容を確認しています…
Empty まだ資料が登録されていません
成功 「契約書.pdf」を登録しました
一部失敗 8件を登録し、2件は登録できませんでした
Error 資料を保存できませんでした。保存先を確認してください

Cursor完了報告

実装完了報告には、次を含めてください。

1. 変更した画面・機能
2. 変更したファイル
3. 再利用した共通コンポーネント
4. 新規作成したコンポーネント
5. 実装した画面状態
6. ビルド結果
7. 動作確認結果
8. 残っている課題
9. 既存機能への影響

05 — Claude Rules

5 Claude Rules

Claudeの役割は、正しい文章を書くことだけではなく、 利用者が迷わず行動できる文章を書くことです。

対象文章

Claude必須ルール

文章の基準

項目 基準
1文の長さ 40〜60文字程度を目安にする
1段落 3〜5行程度
漢字 一般的な漢字に限定する
カタカナ語 一般利用者が理解できるものだけ使用する
敬語 丁寧だが過剰にしない
主語 省略して意味が曖昧になる場合は書く

高齢者が読める文章

良い例

資料を登録できませんでした。 保存先のフォルダを確認して、もう一度お試しください。

悪い例

ストレージへの書き込み処理でエラーが発生しました。 ディレクトリの権限設定を確認してください。

専門用語の説明

良い例

APIキーとは、クラウドAIを利用するための認証情報です。 契約しているAIサービスの画面で取得できます。

悪い例

ProviderのAPI Keyを設定してください。

Claude禁止ルール

06 — Claude Text Patterns

6 Claude文章パターン

操作説明

「何をするか」「どこを押すか」「その後どうなるか」の順で書きます。

登録する資料を選びます。
画面中央の「ファイルを選ぶ」を押してください。
選んだ資料が一覧に表示されます。

成功文

成功した対象と、次にできることを書きます。

「相続手続きの進め方.pdf」を登録しました。
「資料を見る」から内容を確認できます。

エラー文

「問題」「影響」「解決方法」の順で書きます。

資料の文字を読み取れませんでした。
元の資料は保存されています。
画像が鮮明か確認して、もう一度お試しください。

Empty State

現在の状態と、最初の操作を書きます。

まだ資料が登録されていません。
PDF、Word、画像などを登録すると、
資料の内容を検索できるようになります。

[資料を追加]

Loading

システム内部の処理名ではなく、利用者の資料に対して 何をしているかを書きます。

使用する

  • 資料を読み込んでいます…
  • 文字を読み取っています…
  • 関連する資料を探しています…
  • 回答をまとめています…

使用しない

  • Processing...
  • Embedding中…
  • RAG実行中…
  • LLM推論中…

ヘルプ記事

ヘルプ記事は次の構造に統一します。

  1. この操作でできること
  2. 操作前に確認すること
  3. 番号付きの操作手順
  4. 操作後にどうなるか
  5. うまくいかない場合

Claudeへの共通指示

Knowledge OSの利用者向け文章を作成してください。

必須条件:
- やさしい日本語を使う
- 高齢者でも理解できる文章にする
- 1文を短くする
- 結論や操作結果を先に書く
- 専門用語は避ける
- 専門用語が必要な場合は説明を付ける
- 英語の見出しやボタン名を使わない
- 利用者が次に何をすればよいかを書く
- 実際の画面名とボタン名に合わせる
- 利用者を責める表現を使わない

07 — Codex Rules

7 Codex Rules

Codexの役割は、コードを短くすることではなく、 Knowledge OSを安全に変更し続けられる構造にすることです。

Codexの主な担当

Codex必須ルール

デザインを壊さない

Codexがコード構造を改善する場合でも、 DOM構造、CSSクラス、表示順、文言、画面状態を 意図なく変更してはいけません。

Codex禁止ルール

Codexへの共通指示

既存のKnowledge OSを安全にリファクタリングしてください。

必須条件:
- 既存機能と画面表示を維持する
- 変更前に関連ファイルと依存関係を確認する
- UI、状態管理、サービス、型定義を適切に分離する
- 既存のコンポーネント命名規則を守る
- 既存のフォルダ構成を尊重する
- Design TokenとLucide Iconsを維持する
- 画面上の日本語文言を勝手に変更しない
- anyの追加を避ける
- エラー処理を維持または改善する
- 変更は必要最小限にする
- ビルドとテストを実行する

08 — Naming & Structure

8 命名とフォルダ構成

コンポーネント命名

Vue、ReactなどのUIコンポーネントは、 役割が分かる英語のPascalCaseで命名します。

種類 形式
ページ 機能名 + Page DocumentsPage
カード 対象 + Card DocumentCard
一覧 対象 + List DocumentList
入力 対象 + Input SearchInput
ダイアログ 目的 + Dialog DeleteDocumentDialog
状態 状態 + State DocumentEmptyState
サービス 対象 + Service DocumentImportService
対象を表す名詞 DocumentMetadata

使用しない名前

イベントと関数

用途
クリック処理 handleAddDocument
データ取得 fetchDocuments
保存 saveSettings
状態判定 isDocumentLoading
表示可否 canDeleteDocument

推奨フォルダ構成

src/
├── components/
│   ├── common/
│   │   ├── AppButton.vue
│   │   ├── AppCard.vue
│   │   ├── AppDialog.vue
│   │   ├── AppEmptyState.vue
│   │   ├── AppLoadingState.vue
│   │   └── AppStatusMessage.vue
│   │
│   ├── documents/
│   │   ├── DocumentCard.vue
│   │   ├── DocumentList.vue
│   │   ├── DocumentViewer.vue
│   │   └── DocumentMetadataPanel.vue
│   │
│   ├── search/
│   │   ├── SearchInput.vue
│   │   ├── SearchFilterBar.vue
│   │   └── SearchResultCard.vue
│   │
│   └── ai/
│       ├── QuestionComposer.vue
│       ├── AnswerView.vue
│       └── SourceDocumentList.vue
│
├── pages/
│   ├── HomePage.vue
│   ├── DocumentsPage.vue
│   ├── DocumentDetailPage.vue
│   ├── DocumentImportPage.vue
│   ├── AskAiPage.vue
│   ├── SearchPage.vue
│   ├── SettingsPage.vue
│   └── HelpPage.vue
│
├── services/
│   ├── documentService.ts
│   ├── searchService.ts
│   ├── aiService.ts
│   └── settingsService.ts
│
├── stores/
│   ├── documentStore.ts
│   ├── searchStore.ts
│   └── settingsStore.ts
│
├── types/
│   ├── document.ts
│   ├── search.ts
│   ├── ai.ts
│   └── settings.ts
│
├── composables/
│   ├── useDocuments.ts
│   ├── useSearch.ts
│   └── useAiQuestion.ts
│
├── styles/
│   ├── tokens.css
│   ├── base.css
│   └── utilities.css
│
└── router/
    └── index.ts

フォルダ構成の注意

09 — AI Collaboration Workflow

9 AI協業フロー

1つのAIに、設計、文章、実装、リファクタリングを すべて同時に依頼しません。

推奨順序

1
仕様を決める 人間が目的、対象利用者、必要機能、禁止事項を決定します。
2
Claudeで文章を整理する 画面タイトル、説明、状態文、ヘルプ文を作成します。
3
Cursorで画面を実装する Phase 3・4・5に従い、既存機能を維持して実装します。
4
Codexで構造を確認する 重複、責務、型、保守性を確認し、必要な範囲だけ整理します。
5
人間が最終確認する 利用者目線、業務上の正しさ、既存機能への影響を確認します。

役割分担

作業 主担当 確認担当
画面目的の決定 人間 Cursor
画面文章 Claude 人間
UI実装 Cursor 人間
コード構造 Codex Cursor・人間
業務上の正しさ 人間 AIは補助のみ
最終承認 人間 AIは行わない

AI間で引き継ぐ情報

AI同士の推測による引き継ぎは禁止 前工程の決定内容は、設計書、実装報告書、確定文言として 明示的に引き継ぎます。

10 — Prompt Template

10 AI共通指示テンプレート

AIへKnowledge OSの開発を依頼する際は、 次の共通指示をプロンプト冒頭へ含めます。

Knowledge OS Design Principles v1.0.0に従って作業してください。

参照する章:
- Phase 1:Product Philosophy
- Phase 2:UX Principles
- Phase 3:UI Design System
- Phase 4:Screen Guidelines
- Phase 5:AI Development Rules

最上位ルール:
1. 既存機能と既存データを壊さない
2. 指示されていない機能を勝手に追加しない
3. 既存の共通コンポーネントを優先して使用する
4. 一般利用者向け画面は日本語にする
5. 技術用語を画面へ直接表示しない
6. Bootstrap Tableを新規使用しない
7. 主要情報はカードUIで表示する
8. カード内余白は24pxを標準とする
9. アイコンはLucide Iconsのみを使用する
10. Loading、Empty、Errorを必ず実装する
11. AIより利用者の資料を主役にする
12. 作業後にビルドと主要操作を確認する

作業前に次を報告してください:
- 現在の実装状況
- 維持する既存機能
- 変更予定ファイル
- 再利用する共通コンポーネント
- 新規作成が必要な部品
- 想定される影響範囲

作業後に次を報告してください:
- 実装内容
- 変更ファイル
- ビルド結果
- テスト結果
- 未解決事項
- 既存機能への影響

Cursor追加指示

Cursor追加ルール:
- Phase 4の対象画面ガイドラインを確認する
- 独自デザインを追加しない
- カード、ボタン、ダイアログは既存部品を再利用する
- インラインCSSを増やさない
- 画面上の英語を日本語へ置き換える
- Lucide以外のアイコンを追加しない
- Bootstrap Tableを使用しない
- 通常状態だけで完了としない

Claude追加指示

Claude追加ルール:
- やさしい日本語で書く
- 高齢者でも読める文章にする
- 1文を短くする
- 結論や結果を先に書く
- 専門用語は避ける
- 必要な専門用語には説明を付ける
- 利用者が次に行う操作を書く
- 実際の画面名とボタン名に合わせる

Codex追加指示

Codex追加ルール:
- 既存のフォルダ構成と命名を確認する
- UI、状態管理、サービス、型を分離する
- anyを追加しない
- エラー処理を握りつぶさない
- 画面のDOM構造とデザインを意図なく変えない
- 日本語文言を勝手に変更しない
- 大規模な全面書き換えを避ける
- 段階的に変更する

11 — AI Output Review

11 AI生成物レビュー

AIが「完了」と報告しても、そのまま採用しません。 次の項目を人間または別のAIが確認します。

Cursorレビュー

Claudeレビュー

Codexレビュー

不合格条件

AI生成物の品質は、コード量や作業速度では判断しません。 Knowledge OSらしさ、利用者の分かりやすさ、 既存機能の安全性、今後の変更しやすさで判断します。

12 — Definition of Done

AI開発タスクの完成条件

設計

UI

文章

コード

検証

完成の定義 AIがコードや文章を出力した時点では完成ではありません。 Knowledge OSのルールに沿っていることを確認し、 ビルド・操作・状態・文言の検証が完了した時点で完成とします。

Closing

AIを増やしても、製品の人格は一つにする

Cursor、Claude、Codexは、それぞれ異なる能力と 出力傾向を持っています。

しかし、利用者から見えるKnowledge OSは一つの製品です。 どのAIが作った画面、文章、コードであっても、 同じ考え方、同じ言葉、同じ操作方法で動かなければなりません。

Cursorは、決められた画面を実装する。
Claudeは、利用者が理解できる文章を書く。
Codexは、壊れにくいコード構造をつくる。
最終判断は、人間が行う。

最終原則

  1. AIは製品方針を勝手に変更しない。
  2. 既存機能を壊さない。
  3. 利用者向け画面では、やさしい日本語を使う。
  4. カードUIと24pxの余白を基本とする。
  5. アイコンはLucide Iconsに統一する。
  6. Bootstrap Tableは使用しない。
  7. 専門用語は利用者の言葉へ置き換える。
  8. デザインより利用者の理解を優先する。
  9. 速さより一貫性と安全性を優先する。
  10. AIの出力は必ず人間が確認する。